2014年5月3日土曜日

TRSフォンでバランス伝送ケーブルを自作 (CANARE F-16とL-4E6S)

2014年5月3日土曜日 , , ,
TRSフォンプラグを使ったバランス伝送ケーブルの製作手順。
安価かつ丁度よい長さでそこそこな品質のケーブルが売ってないので自作した。

なお、使った部品は定番のCANAREのF-16とL-4E6S。


TRSフォンプラグはCANARE F-16。
サウンドハウスにて一個305円(税抜き)。
作りも頑丈で信頼性も高い品なのでオススメ。
ばらすとこんな感じ。



ケーブルはCANARE L-4E6S。
こちらもサウンドハウスで1m 100円(税抜き)とお買い得。
このケーブルはバランス伝送用(*)で、マイクケーブルとしては定番中の定番。
汚れにくく、非常に柔らかいケーブルなので取り回しがしやすい。
多色展開もしているので色による使い分けも可能。
なお、ケーブル径は6mm。

(*) L-4E6Sはあくまでバランス伝送用の電磁シールドケーブルなので、ステレオ伝送には電気的に向きません。


L-4E6Sの仕様として、青線をホット、白線をコールドと定めているので、一応気を使うべき。


今回のバランス伝送ケーブルの製作では、仕様に準拠するために、
チップをホット(青線)リングをコールド(白線)スリーブをシールドになるように作った。
なお、フォンプラグの接続部分の名称は以下の通り。


では実際の製作手順です。

製作手順

まず忘れちゃいけないのが、フォンプラグの外装・スプリング・絶縁カバーを先にケーブルへ通すことです。
これを忘れると後で面倒くさいことになります。
向きに気を付けながら外装、スプリング、絶縁カバーの順でケーブルに通しておきます。


ケーブルのカット。
外側の被膜(写真の赤い部分、シースという)をカッターなどで切れ目をいれて剥く。


F-16フォンプラグが相手なら、ケーブル端から16mm分カットすれば丁度良い長さになる。
不器用な人なら余裕を見て20mm位カットすると作業しやすいかもしれない。

16mmだけカットしたところ。


次にシールド線をほぐしていく。
爪楊枝などを使うと簡単にほぐれる。


ほぐし終わったら、一方向にねじって束ねておく。


中のケーブルをくるんでいる紙と紐はいらないので、それもほぐしてはさみで切り取る。
ついでに中の青と白のケーブルもほぐしておく。
ほぐした状態がこちら。


青と白のケーブルの被膜を剥く。
シースはぎりぎりの16mmでカットしてるので、青いケーブルは3mm、白いケーブルは6mm程度のところで被膜を剥く。
被膜を剥いたらそれぞれ以下の写真のようにねじってまとめておく。


ピンボケして分かりにくいですが、ねじったケーブル(導線)がばらけない様に少しハンダを吸わせてやります。
その後、フォンプラグの穴に通しやすいよう、導線をニッパーで切り整えてやります。
特にシールド線は長いので穴に入りやすいようカットします。


それでは、フォンプラグにケーブルを通していきます。
先に作業しやすいようフォンプラグのケーブルクランプはケーブルが入るくらいに
ラジオペンチで開いてあげます。

まずシールド線を先にスリーブの穴に差し込んだ後で、ケーブル本体をケーブルクランプの中に乗せてやります。


次に、ホット(青線)をチップの穴に、コールド(白線)をリングの穴に差し込みます。
導線いっぱいまで差し込んでやりましょう。


チップ・リング・スリーブそれぞれにハンダします。
ハンダ作業が終わったら出っ張っている導線をそれぞれニッパーでカットしてやります。
それとケーブルクランプをカシメます。

ハンダ作業とカシメの終わった状態がこちら。


ショート防止のため、黄色の線の内側にチップ・リングのはんだ付けした部分を折りたたみます。
折りたたむことによって金属の外装取り付け時に、絶縁カバーがこれすれて切れることによるショートを防げます。
ただ折りたたみすぎると、今度はチップとリングがショートしたり、最悪折れたりするので注意が必要です。


絶縁カバーを被せて外装をはめ込んだら完成です。
一連の作業を必要回数繰り返します。


バランス伝送ケーブルが完成したら、必ずテスターを使って、導通テストやショートしてないかを確認をしてください。


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