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初めに
YAMAHA GO46およびTerratec Phase X24ですが、狭い筐体で熱がこもりやすい上、あまり質のいい電解コンデンサを使用していません。また電源周りは3端子レギュレータなどからもろに電解コンデンサへ熱が伝わる設計なので、電解コンデンサの容量抜け(ドライアップ)で故障するケースがとても多いです。逆にいうとこれらが原因の場合、電解コンデンサを交換してあげれば見事に復活します。またアナログ部の回路はとてもシンプルな設計なので、例えばアナログ入力で異常があった場合、該当箇所を交換修理してやれば大抵直ったりします(フロントのアナログ入力が異常な場合、TL072Cが壊れてることが多いです)。基板の比較
それでは、YAMAHA GO46およびTerratec Phase X24の基板を見てみましょう。こちらがYAMAHA GO46です。
当方のデバイス(修理をする前に撮影)
で、こちらがTerratec Phase X24です。
どこか忘れましたがロシアのレビュー系サイトから画像を引用
パッと見、ほぼ同一のレイアウトで、使用している電子部品(メーカー)も同じようです。違いといえば、電源部の電解コンデンサなどが違うとこでしょうか。 感じとしては、GO46の方が電源部に容量の大きそうな電解コンデンサを使っているみたいです(とはいえ妊娠気味ですが;^^)。
YAMAHA GO46が使用している電解コンデンサ一覧
当方はTerratec Phase X24を持ってないので、YAMAHA GO46で話を進めます。なのでPhase X24ユーザーは電子部品に違いが出ることを忘れないでください。とりあえず、GO46が使用している電解コンデンサを列挙しておきます。古いメモから引用しているので、参考にする方は、実際の基板にある電解コンデンサと照らし合わせて見てください。容量 | 耐圧 | 温度 | φ×L | 個数 | メモ |
---|---|---|---|---|---|
10uF | 25V | 105℃ | 4×8 | 14 | 電解コンデンサ |
22uF | 16V | 105℃ | 4×8 | 34 | 電解コンデンサ |
100uF | 63V | 105℃ | 10×12.5 | 6 | 電解コンデンサ |
47uF | 16V | 105℃ | 5×8 | 2 | 電解コンデンサ |
100uF | 16V | 105℃ | 6.5×8 | 1 | 電解コンデンサ |
4.7uF | 35V | 105℃ | - | 1 | 表面実装型電解コンデンサ |
1000uF | 25V | 105℃ | 10×20 | 5 | 低ESR電解コンデンサ |
2200uF | 6.3V | 105℃ | 10×20 | 2 | 低ESR電解コンデンサ |
22uF | 50V | 105℃ | 5×11.5 | 5 | 低ESR電解コンデンサ |
100uF | 50V | 105℃ | 6.5×11 | 1 | 低ESR電解コンデンサ |
330uF | 25V | 105℃ | 10×12.5 | 1 | 低ESR電解コンデンサ |
330uF | 6.3V | 105℃ | 6.5×11.5 | 2 | 低ESR電解コンデンサ |
修理に使用した電解コンデンサは?
当方が修理に使用した電解コンデンサですが、低ESR品を使っていたところはPC向けの低ESR電解コンデンサ定番のニチコンHVをメインに使用しています(ニチコンHVで該当品が見つからなかった場合は代用として、ニチコンPWを使ってます。これも低ESR品です)。これらはアスカ情報システム様より購入しています。後、普通の電解コンデンサは日本ケミコンKMGをメインに使ってます。Audio I/Fは音色を楽しむアンプとは違い、変に音色が変わると困るので、普通の電解コンデンサを使うのが一般的です。その点KMGは無難です。ちなみにKMGは若松通商様で安く購入できます。なお、低ESR品の電解コンデンサが使われていたところは必ず低ESR品を使ってください(でもOSコンまでは不要)。これは重要です。後は普通の電解コンデンサで大丈夫です。あと当方の拘りなのでやらなくてOKなんですが、DAC/ADCのCS42426用コンデンサとして、データシートのリファレンス通りになるように0.1uF/25Vの積セラコンデンサを入れたり、リファレンス電圧にニチコンPWを使用したり、VA、VDの平滑コンデンサ(確かVA,VDピンはアナログとデジタルそれぞれの電力供給だったはず)の容量を10uFから22uFに変更してたりします。これは個人的な拘りなので、やらなくてもそんなに変わらないと思います(;^^。あ、でもリファレンスだと10uF+10uFを並列で使うのがいいんだっけ…?忘れたので気になる人はCS42426のデータシートを探して調べてみてください。
YAMAHA GO46の回路について
記憶を頼りに回路を分割してみました(下の画像参照)。青が電源部分、紫がCS42426周り、オレンジがアナログ入出力、茶がファンタム電源周り、ピンクは忘れましたが、確かメディアプロセッサ周りの電解コンデンサです。
赤は左が3端子レギュレータ用の電解コンデンサ(AK17PのデータシートをみるとVINなので平滑用)で、右がメディアプロセッサDM1000Eのための電解コンデンサです。ちなみに右の電解コンデンサのドライアップが機器の異常動作に一番関係していると推測しています。
AK17Pのデータシートをみると平滑には10uFが指定されています。手元のメモによると、左右ともに22uFが使用されていたようなので、それなりに懸念があったのかもしれませんね。なんせAK17Pはかなり発熱しますし。
初めに行う修理
それはさておき、本命の修理です。まず赤の2つの電解コンデンサを交換してください。この2つの電解コンデンサはドライアップしてることが多く、それが原因で「動かない・音が変になる・認識したりしなかったりする」などの動作異常を引き起こします。ドライアップの第一要因は恐らくAK17Pの発熱かと思います。で、第二要因は熱くなる筐体の内部温度のせいではないかと思います。
ここは手元のメモによると、普通の電解コンデンサ(22uF/16V)が2つ使われています。できればここは、寿命時間の長いニチコンPWあたりに交換してください。無ければ普通の電解コンデンサでもOKです。ニチコンPWは低ESRですが、ニチコンHVほどではないので、ここに使用しても大丈夫です。なお、容量は22uFではなくて47uFを使った方がいいかと思います。当方も47uFにしています。でも100uFとか大きい容量のものは使わないでください。
2つの電解コンデンサの交換が終わったら、試しに動作確認をしてください。
状況が改善されたら原因は特定できたようなものです。
次に行う修理
赤の2つの電解コンデンサ交換で改善されたら、機器は延命できる可能性があります。全ての電解コンデンサを交換すべきか?
電解コンデンサが故障の原因であった場合、赤と青の電解コンデンサを交換すれば恐らく解決です。ただ当方が調べたところではオレンジのアナログ入出力の電解コンデンサも容量抜けしていることがありました。なので全体的に容量抜けしている可能性はあります。全ての電解コンデンサを交換すべきかどうかですが、予算や手間、故障具合との兼ね合いで決めたらいいかと思います。なんせ電解コンデンサ以外も修理交換する必要が出てくるかもしれません。
修理にかかる費用について
赤の2つで100円程度です。電源部も入れると1000円ちょっとかかります。全ての電解コンデンサを交換すると4000円ちょっと必要となります(全て送料は含まず)。その他の電子部品は入手できるもので1個数十円から百数十円程度のものが殆どです。現在における当方のYAMAHA GO46
腑分けで調査を行い、2度目の腑分けで電解コンデンサを全て交換し、2度目の途中でコーヒーをこぼされ一部壊れ(;^^)、原因を突き止めてTL072Cなどを交換して生き返ったGO46です。修理から3年経ちましたが今だ何の問題もありませんし、妊娠の兆候もないようです。ちなみにRMAAで計測した結果では、素の状態よりTHD+N特性
全景
KMGの群れ。φ4mmの電解コンデンサは売ってなかったので、代わりにφ5mm品を使用。
結果収まらないので、一部それぞれのリード足の長さが同じになるように
浮かせてハンダ+ホットボンドで固定。
結果収まらないので、一部それぞれのリード足の長さが同じになるように
浮かせてハンダ+ホットボンドで固定。
ニチコンPW(47uF/25V)で無問題。
最後に
電解コンデンサの選択ですが、某スレの書き込みを見るに、それなりにアバウトに選んでも問題ないようです。ただESR値、耐圧、容量、耐温度などは基本的に守ってください。特に耐圧は高くなる分にはいいのですが、ついていたものより低いものにはしないでください。容量も同じ容量かほぼそれに近いものが無難です。あと電解コンデンサのサイズも同サイズのものを探すと基板にすんなりと収まるので気にした方がいいかと思います。
こんにちは。Phase x24の者です。
返信削除記事にしていただいて、ありがとうございます!
難しそうですが、修理してみます。
失礼しました。
どうもこんにちわ。
削除一度分解して赤の2つコンデンサと目視で妊娠しているコンデンサを
スペック(低ESRかどうか、耐圧、容量、サイズ)と個数を調べてみたらどうでしょうか?
赤と青の部分のコンデンサならアスカ情報システムさんで一応全て揃うはずです。
なお、コンデンサを外すには、はんだごてはもちろんですが、ハンダ吸い取り網や
ハンダ吸い取り器(これはダイソーにもあったりします)、ハンダなどが必要になります。
とりえずテストだけで、お手元に適当なコンデンサがあるなら、
とりあえずはんだごてだけでテストが可能です。
これなら2分もかからず確認できるかと思います。
では。